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兼務の限界とは?製造業とスタートアップの組織崩壊を防ぐ分業のステップ

目次
アオくん
カイ社長、最近うちのチーム、みんなめちゃくちゃ頑張ってるのに全然仕事が回ってない気がするんです。「兼務の限界とは?」って、まさに今のうちの状態なんですけど、どうすればいいんですか?
カイ社長
よし、解説しよう。スタートアップや製造業の初期段階では、1人の人間が営業も開発もバックオフィスも兼務するのはよくあることだ。しかし、事業が成長フェーズに入ると、そのやり方は必ず組織崩壊を引き起こす。今回はそのメカニズムと解決策を紐解こう。
はこまる村長
ほほう、なるほど。ワシの工場でもな、若手が図面を描きながら営業電話かけて、ついでに総務の書類整理までやっておるわい。毎日てんてこ舞いで、何がなんだか分からん状態じゃ。
この記事で分かること
- 兼務状態が続くとタスクの取りこぼしや現場のパンクが発生する
- 業務を可視化してコア業務とノンコア業務を切り分ける必要がある
- 持続可能な組織を作るためには計画的な分業への移行が不可欠である
1. 兼務の限界とは?スタートアップと製造現場で起こる悲劇
1-1. アオ君の疑問:みんな頑張っているのに、なぜ組織が回らないのか?
日々の業務において、メンバー一人ひとりは全力で走っているにもかかわらず、なぜか成果に繋がらないという課題に直面する企業は少なくありません。 原因は個人の能力不足ではなく、構造的なキャパシティオーバーにあります。 マルチタスクは一見すると効率的ですが、実際には「context switching(コンテキスト・スイッチング:作業の切り替え)」による莫大なロスを生んでいます。 人間が異なる性質の業務に頭を切り替える際、元フルの集中力に戻るまでには時間がかかります。 結果として、誰もが忙しいのに何も前に進まないという現象が発生するのです。1-2. 村長の嘆き:何でも屋をやっていたら現場がパンクした話
製造現場やスタートアップの初期において、リソースが限られているからと「何でも屋」を量産する体制は危険です。 例えば、新規事業の立ち上げにおいてPoC(概念実証:新しいアイデアが実際に実現可能かテストするプロセス)を進めながら、既存の量産化設計(DFM:製造のしやすさを考慮した設計)や顧客折衝を兼務させると現場は必ず疲弊します。 村長の工場でも、現場の熟練工が突発的なトラブル対応と事務作業に追われ、本来注力すべき品質管理がおろそかになるという事態が起きました。 このように、目の前のタスクに追われることで、企業にとって最も重要な中長期の戦略が後回しになるのが「何でも屋体制」の最大の悲劇です。1-3. カイ社長の解説:1人が何役もこなすフェーズの限界とタスクの取りこぼし
企業成長のフェーズによって、組織に求められる形は変化します。 創業期や少数精鋭のフェーズでは兼務によるスピード感が武器になりますが、一定の規模を超えると「限界点」が訪れます。 兼務の限界点を超えると、以下のような深刻な問題が表面化します。- 重要だが緊急度の低い業務(採用や育成、業務マニュアル化など)が完全に放置される
- 顧客からの問い合わせや発注対応などの連絡漏れが発生する
- 担当者の精神的・肉体的負担が限界を迎え、突然の離職につながる

2. 業務の可視化:どこに時間を使っているかを暴くタイムスタンプ手法
2-1. コア業務とノンコア業務を正しく切り分ける基準
兼務状態から脱却し、分業体制へ移行するための第一歩は「業務の棚卸し」です。 すべての業務を「コア業務」と「ノンコア業務」に明確に切り分けなければなりません。 コア業務とは、自社の競争力の源泉であり、売上や技術的優位性に直接結びつく作業を指します。 製造業であれば設計や高度な加工、スタートアップであれば事業戦略の策定や主要顧客との折衝がこれに該当します。 一方のノンコア業務とは、データ入力、伝票整理、ルーティン的なメール返信など、事業の成否に直接影響しないものの不可欠な管理作業です。 まずは自社のリソースがどちらに割かれているのかを正確に把握することが肝心です。2-2. タイムスタンプを活用した工数測定の具体的ステップ
自分のチームがどこに時間を使っているかを正確に知るためには、主観的な感覚を排した「タイムスタンプ手法」が有効です。 以下のステップに沿って、1〜2週間の工数計測を実施してみましょう。- 作業記録用のシートを準備し、30分単位で業務内容をリアルタイムに記録する
- 想定以上に時間を奪われている「隠れノンコア業務」を特定する
2-3. 浮いた時間をどう生み出すか?ノンコア業務の外注化・自動化のコツ
タイムスタンプ手法によってノンコア業務に費やしている時間が可視化されたら、次はそれらを「手放す」フェーズに入ります。 ノンコア業務は、人が行うべき作業と、システムや外部委託に置き換えるべき作業に分類できます。 例えば、経費精算や受発注管理などの定型業務は、クラウドツールを導入して自動化を検討します。 また、専門性の高くないデータ整理や資料作成などは、フリーランスや外部の代行サービスに外注することで、社内のリソースをコア業務へと集中させることが可能です。
3. 組織の分岐点:最初に専任化すべきは「営業」「バックオフィス」「製造」のどこか?
3-1. 売上を最大化する「営業」専任化のメリット・デメリット
業務の切り出しと並行して検討すべきなのが、「どの部門から専任化していくべきか」という組織デザインの意思決定です。 売上を直接生み出す「営業」を最初に専任化することは、キャッシュフローを安定させる上で非常に強力な一手となります。 営業活動に集中できる環境を作ることで、新規顧客の獲得スピードが飛躍的に向上します。 一方で、営業だけを専任化してバックオフィスや製造現場が追いつかなくなると、受注した案件の納期遅延や品質低下を招くリスクがあるため、他部門とのバランスを見極める必要があります。3-2. 組織の基盤を守る「バックオフィス」専任化の判断基準
バックオフィス(総務、人事、経理など)の専任化は、組織が大きくなりガバナンスの強化が急務となったタイミングで不可欠です。 特に、スタートアップが外部からの資金調達を行ったり、製造業が厳格な品質保証体制の認証を取得したりする際には、バックオフィスの専任担当者が必須となります。 「誰でもできるから」とメンバーが持ち回りでバックオフィス業務を行っていると、コンプライアンス上のリスクやミスの温床になります。 組織の土台を固めるために、早い段階で1名だけでも専門の担当者を配置する判断が、中長期的なリスクヘッジにつながります。3-3. 品質と安全にかかわる「製造現場」専任化のタイミング
製造業やハードウェア系スタートアップにおいて、最も慎重にならなければならないのが「製造現場・開発現場」の専任化のタイミングです。 試作品の高速プロトタイピングや、量産化に向けたDFMの調整を行っている段階では、設計者と製造現場の緊密な連携が求められます。 しかし、量産体制へ移行するフェーズにおいては、作業の標準化と品質安定化のために、製造専任のスタッフをしっかりと配置し、責任の所在を明確にしなければなりません。 安全面や品質トラブルの防止を最優先事項として捉え、現場作業と管理業務の兼務を解消するタイミングを計画的に見極めましょう。
4. 兼務から分業への移行ステップとまとめ
4-1. アオ君の納得:明日からできる工数測定の始め方
アオくん
なるほど、いきなり組織を大きくするのは無理でも、まずはタイムスタンプで自分の時間の使い方を可視化することから始めればいいんですね。明日からチームメンバー全員でスプレッドシートを使った工数測定をやってみます!
4-2. 村長の決断:我が社が最初に見直すべき業務とは
はこまる村長
ワシの工場でも、熟練工が雑務に追われている現状を何とかせなかんと痛感したわい。まずはノンコア業務を洗い出して、外部のサービスに任せられるものは思い切ってアウトソーシングしてみることにするぞい。
4-3. カイ社長のエール:小さな一歩から始める持続可能な組織づくり
カイ社長
その意気だ。兼務の限界を突破するためには、一度立ち止まって現状を正確に把握し、戦略的に役割を分担していくことが何よりも重要となる。小さな業務の切り出しから始めて、持続可能で強い組織を作り上げていこう。
まとめ
アオくん
カイ社長、村長、ありがとうございました!兼務の限界を乗り越えるための道筋がはっきり見えました。まずは自分の業務の棚卸しから全力で取り組んでみます!
はこまる村長
うむ、ワシもさっそく工場のムダなノンコア業務を洗い出して、現場が本業に集中できる環境をつくるぞい!
カイ社長
素晴らしい決断だ。組織の成長フェーズに合わせて柔軟に分業を進め、強い会社へと進化させていこう。HAKOmediaはこれからも君たちの挑戦を応援しているぞ!


