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創業期の経営計画:数字の立て方と時間単価の考え方をカイ社長が解説!

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アオくん
カイ社長、創業計画を立てようと思うんですけど、数字が全然見えなくて……どうしたらいいんでしょうか?

カイ社長
創業期こそ“数字の逆算”が重要なんだ。感覚じゃなくて、根拠ある数字で動くことが、成功への第一歩だよ。
創業期に注力すべき数字とは
創業初期には以下の3つの数字に注力することが重要です。
月間売上目標:自分や家族が最低限生活できる金額+事業運転資金。
利益率:売上から経費を差し引いた手元に残る利益の割合。
時間単価:1時間あたりどれだけの売上を生む必要があるか。
これらを明確にすることで、無理のないペースで収益を上げていく土台が整います。
また、創業期は売上を上げることに目が行きがちですが、「利益が残る体制」を早期に意識することで、経営が安定しやすくなります。特に個人事業主やフリーランスの場合、労働時間の限界があるため、「時間あたりの効率」が成否を分ける鍵になります。

売上の考え方
売上目標は「感覚」ではなく、「必要な支出」から逆算します。
▷ 必要売上の計算式
必要売上 = 固定費(家賃・光熱費など)+ 変動費(仕入れ・広告費など)+ 生活費
例えば:
固定費:10万円
変動費:5万円
生活費:20万円 → 必要売上は 35万円 になります。
ここで大切なのは、「何のためにこの売上が必要か」を明確にすることです。目標売上が生活を維持するための最低限なのか、事業投資も見込んだ金額なのかによって、取るべき戦略が変わります。
▷ 月商と年商の違い
月商(1ヶ月)で達成すべき目標を積み上げることで、現実的な年商目標も見えてきます。たとえば、月商35万円なら年商は420万円。ただし、季節変動や繁忙期・閑散期も想定して、年間平均で計算することが現実的です。
▷ 案件数 × 単価 = 売上
例えば、1件5万円の案件を7件受注すれば、35万円の売上になります。このように、「何件必要か」「単価はいくらか」で調整していきましょう。案件単価を上げる、または受注件数を増やす、という2方向から売上アップが可能です。
時間単価と工数の考え方
▷ 稼働可能時間を把握する
1ヶ月のうち、実質的に働ける時間を洗い出します。
例:1日6時間 × 月20日稼働 = 120時間
この「実働時間」を基準に、各案件にかけられる時間配分を考えることが、健全な経営の基本となります。
▷ 時間単価の算出方法
時間単価 = 月間売上目標 ÷ 稼働時間
例:
売上目標:35万円
稼働時間:120時間 → 時間単価は 約2,917円
この時間単価を基準に、どの業務が効率的か、どの業務を外注すべきかを判断できます。仮に時給2,000円で外注できる業務があるなら、自分は時給3,000円以上の業務に集中すべき、という発想です。
▷ 案件の採算性チェック
1案件に30時間かかるなら、2,917円×30時間=約8.7万円以下では赤字になります。自分の時間を守るためにも、工数と単価のバランスを意識しましょう。
また、見積書に記載する作業項目にも注意し、想定外の追加作業が発生しないよう、事前に丁寧なヒアリングを行いましょう。
サービスプランの整理
▷ ベーシック・スタンダード・プレミアムの3段階設計
ベーシック:お試し・導入向け(低単価・低工数)
スタンダード:主力プラン(中単価・中工数)
プレミアム:高付加価値提供(高単価・高工数)
このように段階を設けることで、顧客のニーズや予算に応じた柔軟な対応が可能になります。また、「ベーシック」から「スタンダード」へのアップセル提案にも繋がります。
▷ 工数と単価の調整
「時間単価」に見合ったプラン設計を行うことで、無理なく利益が出せる体制に。
例:プレミアムプランは工数が2倍かかるが、単価は3倍取れるなら、時間効率が良くなります。どのプランが最も効率よく利益を生むかを可視化しましょう。
▷ 売れる価格と理想価格のすり合わせ
競合と比較しながら、「市場に受け入れられる価格」と「自分が目指す価格」のバランスを取りましょう。理想価格が高すぎる場合は、価値をしっかり伝える導線(例:導入事例、成果実績など)を整えることも重要です。

まとめ

アオくん
今まで“なんとなく”で決めてた数字が、意味を持ち始めました!

カイ社長
大事なのは“仮説を立てて検証する”こと。まずは数字で考えて、次に行動だよ。数字は怖いものじゃなく、経営の味方なんだ。
創業期の経営計画では、売上目標や時間単価を明確にし、限られたリソースで利益を出すための逆算思考が重要です。利益率や工数にも注目し、採算の取れるサービス設計を行いましょう。仮説と検証を繰り返すことで、持続可能なビジネス基盤を築くことができます。
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